ドラム式洗濯機を日立とシャープで迷っている方は多いと思います。
どちらも国内メーカーで、価格帯も20万円前後と近く、カタログを並べても決め手が見つかりません。
ただ、両社のメーカー公式の数値を突き合わせると、実は設計の方向がはっきり分かれていることが分かります。
しかも、その違いは容量でも価格でもなく「乾燥」に出ます。
この記事では、2026年8月時点で実際に買える両社のモデルについて、メーカー公式の仕様と価格.comの売値をすべて調べたうえで比較しました。売値は10月2日に調べ直しています。
結論から言うと、洗濯物を早く終わらせたい方は日立、電気代と音を抑えたい方はシャープです。その理由を数字で説明していきます。
日立とシャープで迷ったら、まず「乾燥」を見てください
ドラム式選びで後悔する原因のほとんどは、洗濯の性能ではなく乾燥まわりです。洗う性能は各社かなり成熟していて、正直なところ体感で差が出にくくなっています。
一方、乾燥は「どれくらい時間がかかるか」「電気代がいくらか」「うるさくないか」が毎日の生活に直接響きます。
そして日立とシャープは、この乾燥の考え方が正反対と言っていいほど違います。まずはそこを押さえてしまえば、選択はかなり簡単になります。
乾燥の速さと電気代は、両社でちょうど正反対です
両社の最上位モデルについて、メーカー公式サイトに載っている「洗濯から乾燥まで」の数値を並べます。
日立のビッグドラム BD-STX130M と、シャープの ES-12X1 です。
どちらも2025年9月発売で、今いちばん売れている価格帯のモデルです。
| 洗濯から乾燥まで | かかる時間 | 使う電気 |
|---|---|---|
| 日立 BD-STX130M(標準コース) | 約93分 | 約1,150Wh |
| シャープ ES-12X1 | 約150分 | 約590Wh |
| 日立 BD-STX130M(省エネコース) | 約200分 | 約680Wh |
この表がこの記事でいちばん大事なところです。読み取れることは3つあります。
1つ目は、日立が圧倒的に速いことです。標準コースなら洗濯から乾燥まで約93分。シャープの150分と比べて1時間近く短く済みます。
しかも日立は乾燥7kg、シャープは乾燥6kgなので、日立は1kg多い洗濯物をより短時間で乾かしていることになります。
夜に洗濯を回して寝る前に取り込みたい方や、日中に何度も回したい方には効いてきます。
2つ目は、シャープが圧倒的に省エネなことです。590Whは日立の標準コース(1,150Wh)のほぼ半分です。シャープのES-12X1は省エネ大賞を受けているモデルで、この数値はドラム式全体でもトップクラスです。
3つ目は、日立にも省エネコースがあることです。ここは他ではあまり触れられていない点です。
日立は省エネコースを使えば680Whまで下がり、シャープの590Whにかなり近づきます。
ただし時間は約200分と、シャープよりさらに50分長くなります。
つまり日立は「速いが電気を使う」と「遅いが省エネ」を自分で切り替えられる作りで、シャープは最初から省エネ寄りに振ってある、という違いです。
日立とシャープ 今買える主要モデルの比較表
2026年8月時点で実際に買える主要モデルを一覧にしました。機種名をタップすると、その機種の解説に飛べます。
| 機種 | 洗濯/乾燥 | 洗濯〜乾燥 | 電力量 | 乾燥音 | 今の売値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日立 BD-SX130ML | 13kg/7kg | 93分 | 1,150Wh | 49dB | 約224,000円 |
| 日立 BD-STX130PL(新型) | 13kg/7kg | 93分 | 1,150Wh | 49dB | 約315,000円 |
| シャープ ES-12X1 | 12kg/6kg | 150分 | 590Wh | 42dB | 約191,000円 |
| シャープ ES-12P1 | 12kg/6kg | — | 700Wh | — | 約179,000円 |
| シャープ ES-8XS1 | 8kg/4kg | — | 800Wh | — | 約172,000円 |
※表の値段は、日立は2026年10月16日、シャープは10月2日に価格.comで調べた最安値です。値段は日々変わるので、買う前に販売ページで今の値段を確かめてください。
表を見ると、1年落ちのBD-SX130MLと新型のBD-STX130PLは、数値がまったく同じです。
違いは新型の洗い方や糸くずフィルター、操作パネル(SXは押しボタン式、STXはタッチパネル)などで、値段は約9万円違います。
電気代と水道代を1年分で計算すると
Wh(ワットアワー)で言われても実感が湧かないので、お金に直してみます。
電気代は1kWhあたり31円(家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)、水道代は1Lあたり約0.24円として、毎日1回まわした場合の1年分です。
| 1回の電気代 | 1回の水道代 | 年間合計 | |
|---|---|---|---|
| 日立(標準コース) | 約36円 | 約16円(65L) | 約19,000円 |
| 日立(省エネコース) | 約21円 | 約16円(65L) | 約13,500円 |
| シャープ ES-12X1 | 約18円 | 約12円(49L) | 約11,000円 |
日立を標準コースで毎日使う場合と、シャープを使う場合で、年間おおよそ8,000円の差になります。
10年使えば8万円ですから、本体価格の差より大きくなる計算です。
ただし公平を期すために書いておくと、日立は乾燥7kg、シャープは乾燥6kgと容量が違います。同じ量の洗濯物で比べた数値ではないので、この差がまるごと性能差というわけではありません。
また日立も省エネコースを使えば年間約13,500円まで下がり、差は2,500円ほどに縮まります。
静かさ・サイズ・お手入れの違い
音はシャープが静かです
乾燥時の運転音は、日立が49dB、シャープが42dBです。7dBの差は数字以上に体感が変わります。
40dB台前半は図書館の中くらい、50dB近くになると静かな事務所や換気扇の音くらいのイメージです。
洗濯機の設置場所が寝室や子ども部屋の近くにある方、マンションで夜に回したい方は、この差を優先して考える価値があります。
本体の大きさはほぼ互角、ただし高さに注意
| 幅 | 奥行 | 高さ | 重さ | |
|---|---|---|---|---|
| 日立 BD-STX130M | 630mm(本体600mm) | 720mm | 1,065mm | 約93kg |
| シャープ ES-12X1 | 640mm(本体596mm) | 719mm | 1,120mm | 約80kg |
幅と奥行はほぼ同じですが、高さはシャープが55mm高くなっています。洗濯機の上に棚がある場合や、防水パンの上に設置して蛇口の位置が低い場合は、この5.5cmが入るかどうかを必ず測ってください。
ドラム式は搬入後に「入らなかった」となると本当に大変です。
重さは日立が約93kg、シャープが約80kgです。どちらも2階以上への階段搬入は追加料金がかかることが多いので、購入時に確認しておきましょう。
お手入れはアプローチが違います
日立は「らくメンテ」という考え方で、そもそも乾燥フィルターをなくしています。毎回フィルターの糸くずを取る作業が要らないのが強みです。
加えて「らくメンテ洗浄」コースで洗濯槽・乾燥経路・ドアパッキンをまとめて洗えます。
シャープは4か所を自動で掃除する仕組みを持っています。どちらも「手入れの手間を減らす」という目的は同じで、フィルター掃除そのものをなくした日立か、自動掃除で対応するシャープか、という違いです。
【2026年10月の最新情報】日立は新型が早くも値下がりしています
これは今このタイミングで日立を検討している方に、必ず知っておいてほしいことです。
日立は2026年8月下旬に新型のBD-STX130P(Pシリーズ)を発売しました。発売直後は1年前のモデルの約2倍の値段でしたが、1か月あまりで大きく下がっています。
| 機種 | 発売 | 洗濯/乾燥 | 今の売値 |
|---|---|---|---|
| BD-STX130P(新型) | 2026年8月下旬 | 13kg/7kg | 約315,000〜325,000円 |
| BD-STX130M(1年落ち) | 2025年9月中旬 | 13kg/7kg | 約255,000円(扱い1店舗) |
| BD-SX130M(1年落ち・ボタン式) | 2025年9月中旬 | 13kg/7kg | 約224,000円 |
8月13日に約40.7万円からだった新型は、10月16日にはダークグレーで約31.5万円まで下がりました。一方で1年落ちのBD-STX130Mは、約21.7万円から約25.5万円に上がり、扱う店も1店舗まで減りました。
型落ちを買うなら、中身が同じでボタン式のBD-SX130M(約22.4万円)が現実的で、新型との差は約9万円です。
1年落ちのBD-SX130Mにも、乾燥フィルターレスもヒートポンプ式も93分の速さもすべて入っています。新型との違いと選び方は、日立 BD-STX130P vs BD-STX130M の比較にまとめました。
1年落ちは在庫が減るにつれて値上がりしているので、日立に決めたら早めに在庫を確保したほうが安全です。
目的別・今買うならこの5機種
1. 日立 BD-SX130ML|とにかく早く乾かしたい方に
日立の2025年モデルで、乾燥フィルターのない13kgの機種です。洗濯から乾燥まで約93分は、今回調べた中で最速でした。
しかも乾燥容量は7kgと大きいので、家族4人分をまとめて回しても一度で終わります。
乾燥フィルターがないため、毎回の糸くず取りが不要です。ドラム式で挫折する原因のかなりの部分がフィルター掃除なので、ここを構造的になくしているのは実用面で大きいです。操作パネルは押しボタン式です。中身が同じでタッチパネルのBD-STX130MLもありますが、扱う店がほとんどなくなったため、ここではSX130MLを載せています。今の売値はホワイトで約224,000円です(2026年10月16日時点)。下のカードはダークグレーです。
こんな方におすすめです。
- 夜に洗濯を回して、寝る前に取り込みたい
- 家族が多く、1回で7kg分を乾燥させたい
- フィルター掃除を絶対にしたくない
- 電気代より時間を優先したい
注意点は、標準コースの電気代がシャープの約2倍になることと、乾燥時の音が49dBとやや大きめなことです。
2. 日立 BD-STX130PL|新しい洗い方と揺れ対策がほしい方に
2026年8月に出た日立の新型です。容量13kg/7kg、洗濯から乾燥まで約93分、標準コースの電気約1,150Whは、1のSX130MLと同じです。
新型で変わったのは、衣類が少ないときに色あせや毛玉を抑える「衣類長もち高濃度洗浄」、掃除しやすいスリット形状の糸くずフィルター、脱水時の揺れを抑える3軸ジャイロセンサーなどです。操作パネルはワイドカラー液晶のタッチパネルです。
その分値段は高く、ダークグレーで約315,000円、ホワイトで約325,000円です(2026年10月16日時点)。1との差は約9万円なので、上の機能を毎週使うかで選んでください。くわしくは日立の新型と型落ちの比較にまとめました。下のカードはホワイトです。
3. シャープ ES-12X1|電気代と静かさを重視する方に
シャープの現行最上位で、2025年の省エネ大賞を受けているモデルです。洗濯から乾燥まで590Whは、今回調べた中で最も少ない電力量でした。
乾燥時の運転音42dBも今回の最小です。洗い32dB、脱水39dBと全体的に静かで、集合住宅や、洗濯機が居室に近い間取りの方には効いてきます。
水の使用量も洗濯から乾燥まで49Lと少なく、日立の65Lより16L少なくなっています。プラズマクラスターや洗剤・柔軟剤の自動投入、4か所の自動掃除も入っています。
こんな方におすすめです。
- 毎日乾燥まで使うので、電気代を抑えたい
- 夜間に洗濯するので静かさが大事
- マンションで音が気になる
- 長く使って総コストを下げたい
注意点は、洗濯から乾燥まで約150分と日立より1時間近く長いことと、高さが1,120mmと日立より5.5cm高いことです。
4. シャープ ES-12P1|同じ12kgでもう少し安く
ES-12X1の1つ下にあたるモデルで、2025年9月18日発売です。洗濯12kg/乾燥6kgと容量は同じ、本体サイズも同じ640×719×1,120mmです。
違いは乾燥にかかる電力量で、こちらは700Wh。ES-12X1の590Whより110Wh多くなります。1回あたり約3円、年間で約1,200円の差です。売値の差は約3,000円なので、2年ちょっとで逆転する計算になります。
長く使うならES-12X1のほうが得ですが、初期費用を抑えたい方にはこちらもありです。
5. シャープ ES-8XS1|置き場所が狭い方に
洗濯8kg/乾燥4kgと容量は小さくなりますが、奥行が600mmとコンパクトです。上の12kgモデルが719mmなので、12cm近く浅くなります。
洗面所が狭くて大型ドラムが入らない、あるいは扉の開閉に干渉してしまう、というご家庭向けです。2025年11月27日発売と比較的新しく、乾燥の電力量も800Whに抑えられています。
一人暮らしや2人暮らしであれば容量的にも足ります。
売値は約172,000円です。容量が小さい割に安くはないので、置き場所の制約がある方向けの選択肢と考えてください。
選ぶときに知っておきたい注意点
シャープなら何でも省エネ、ではありません
ここは誤解しやすいところなので書いておきます。
シャープのドラム式は全機種が省エネというわけではありません。同じシャープでも、乾燥の仕組みによって電力量が大きく変わります。
| シャープの機種 | 洗濯/乾燥 | 洗濯〜乾燥の電力量 |
|---|---|---|
| ES-12X1 | 12kg/6kg | 590Wh |
| ES-12P1 | 12kg/6kg | 700Wh |
| ES-8XS1 | 8kg/4kg | 800Wh |
| ES-7S2 | 7kg/3.5kg | 1,600Wh |
| ES-11K1 | 11kg/6kg | 1,880Wh |
ES-11K1とES-7S2は、上位モデルの3倍前後の電力量です。
これは乾燥の仕組みが違うためで、価格の安いモデルはヒーターで温める方式を使っています。安いから選んだのに電気代で損をする、ということが起こり得ます。
シャープで選ぶなら、乾燥まで毎日使う前提であればES-12X1かES-12P1、置き場所の都合があればES-8XS1、という考え方が無難です。
左開きと右開きを間違えないでください
両社とも左開き(型番の末尾がL)と右開き(末尾がR)があります。
そして今回調べた限り、右開きは左開きより高く売られていることが多いです。10月2日時点では、日立BD-STX130Mの右開きは価格.comに売っている店がなく(10月16日時点では、ボタン式のBD-SX130MRが約24.8万円で1店舗)、シャープES-12X1は左19.1万円に対し右20.9万円でした。
これは需要の差による在庫状況の違いです。
壁の位置や動線の都合で右開きが必要な場合は仕方ありませんが、どちらでもよいなら左開きのほうが安く買えます。
日立の新型BD-STX130Pと型落ちBD-STX130Mで何が違うのかは、日立 BD-STX130P vs BD-STX130M どっちを買う?新型と型落ちの違いを徹底比較で詳しく比べています。洗濯乾燥の基本性能は同じなので、型落ちを選ぶ判断材料になります。
よくある質問
結局、日立とシャープはどちらが良いのですか
優先することで変わります。洗濯から乾燥までを早く終わらせたいなら日立、電気代と静かさを取るならシャープです。
どちらも国内メーカーで洗浄力や品質に大きな差はないので、この2点で決めてしまって問題ありません。
電気代の差はそんなに気にするほどですか
毎日乾燥まで使うなら年間で約8,000円、10年で約8万円の差になります。
ただし日立も省エネコースを使えば差は年間2,500円ほどまで縮まります。乾燥を週に数回しか使わないご家庭であれば、差はもっと小さくなるので、そこまで重視しなくてよいと思います。
日立の新型は待つべきですか
待たなくても大丈夫です。新型BD-STX130Pは発売直後に40万円を超えていましたが、10月2日にはダークグレーで約30万円まで下がり、1年落ちとの差は約6万円になりました。
ホワイトはまだ約36万円なので、色にこだわらなければ、ダークグレーの新型も選択肢に入ります。
1つ前の世代を買っても大丈夫ですか
問題ありません。日立のBD-SX130M(タッチパネルのSTX130Mと中身は同じ)は2025年9月発売で、乾燥フィルターレスもヒートポンプ式の乾燥もAIお洗濯もすべて搭載しています。ドラム式は毎年劇的に変わる商品ではないので、1世代前で十分実用的です。
ただし2022年以前の日立モデルは乾燥の仕組みが古く電気代が高いので、そこまで古いものは避けてください。
まとめ
日立とシャープのドラム式は、乾燥の考え方が正反対です。
- 日立は洗濯から乾燥まで約93分と速く、乾燥容量も7kgと大きい。ただし電気は多く使い、音もやや大きめ
- シャープは590Whと省エネで42dBと静か。ただし約150分と時間はかかる
時間を優先するなら日立のBD-SX130ML、新しい洗い方や揺れ対策も欲しいなら新型のBD-STX130PL。
電気代と静かさを優先するならシャープのES-12X1、という選び方になります。
日立の新型BD-STX130Pは、発売直後の約40万円から、10月16日にはダークグレーで約31.5万円まで下がりました。1年前のモデルのうち、タッチパネルのSTX130Mは扱う店が1店舗まで減りました。ボタン式のSX130M(約22.4万円)と比べると、差は約9万円です。新型と1年落ちのどちらを選ぶかは、差額と色を見比べて決めてください。
どちらを選んでも、設置場所の幅・奥行・高さと、左開きか右開きかだけは必ず確認してから購入してください。
ここを間違えると性能以前の問題になります。
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購入前の準備については、ネットで買うときの設置費用とリサイクル料金にまとめています。


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