日立のドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」を買おうと決めて調べ始めると、すぐに一つの壁にぶつかります。2026年8月に出たばかりの新型 BD-STX130P と、1年前に出た BD-STX130M のどちらを選ぶか、という問題です。
お店に行けば新型を勧められますし、ネットを見れば「型落ちで十分」という声もあります。
どちらの言い分にも一理ありそうで、しかも差額は約16万円。この金額を前にして迷わない人はいないと思います。
この記事では、日立公式の仕様表を2機種そろえて突き合わせ、何が同じで、何が違って、その違いに16万円の価値があるのかを整理しました。
先に結論:洗う・乾かす性能は同じ。違いは「布傷み対策」と「色」
| あなたの状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| とにかく安く、日立の乾燥フィルターなしを手に入れたい | BD-STX130M(型落ち) | 洗濯〜乾燥の時間・電気代・水量・音・大きさは新型と完全に同じ |
| 黒い服やニットの色あせ・毛玉が気になる | BD-STX130P(新型) | 新しい洗い方「衣類長もち高濃度洗浄」は新型だけ |
| ダークグレーの本体色が欲しい | BD-STX130P(新型) | 最上位機でダークグレーが選べるのは新型から |
| 新型の機能は欲しいが少しでも安く | BD-SX130P(新型の弟分) | 洗い方も乾燥も同じ。操作パネルがボタン式で、一部コースがダウンロード式になる代わりに約2.7万円安い |
洗濯乾燥機として毎日使う部分は、新型も型落ちも同じ機械です。その上で、新型の追加機能に16万円払う価値があるかどうか、が今回の分かれ目になります。
今の売値と差額(2026年9月16日時点)
| 機種 | 世代 | 操作パネル | 今の売値 |
|---|---|---|---|
| BD-STX130P | 新型(2026年8月下旬発売) | タッチパネル | 約391,000円 |
| BD-SX130P | 新型(2026年8月下旬発売) | ボタン式 | 約364,000円 |
| BD-STX130M | 型落ち(2025年9月発売) | タッチパネル | 約230,000円 |
| BD-SX130M | 型落ち(2025年9月発売) | ボタン式 | 約232,000円 |
STX同士で比べると、差額は約16万円です。「型落ちは新型の6割の値段」と言い換えると、この差の大きさが伝わると思います。
この記事に出てくる金額は、すべて執筆時点(2026年9月16日〜17日)に価格.comで確認した最安値です。ドラム式の売値は日々動きますし、型落ちは在庫しだいで大きく変わります。購入前に必ず最新の価格を確かめてください。
ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。型落ちのBD-STX130Mは、値下がりではなく値上がりしています。
当ブログで追いかけている価格.comの最安値は、8月13日に217,000円、9月1日に226,680円、9月16日に229,800円と、1か月で約1.3万円上がりました。新型に切り替わり、型落ちを扱う店と在庫が減っているためです。
「新型が出たあと、型落ちはどんどん安くなる」というのは、新型発売の直前までの話です。
発売後は在庫のある店が減っていき、残った店が値段を上げます。型落ちを狙うなら、待てば待つほど不利になります。
4機種の販売ページ
BD-STX130M(型落ち・ホワイト)
BD-STX130P(新型・ホワイト)
BD-SX130P(新型・ボタン式・ホワイト)
BD-SX130M(型落ち・ボタン式・ダークグレー)
公式仕様を並べてわかった「同じところ」
まず、日立公式の仕様表で完全に一致している項目です。洗濯乾燥機の「使い勝手」を決める数字はほぼここに集まっています。
| 項目 | BD-STX130P(新型) | BD-STX130M(型落ち) |
|---|---|---|
| 洗濯・脱水容量 | 13kg | 13kg |
| 洗濯〜乾燥容量 | 7kg | 7kg |
| 乾燥方式 | らくはや風アイロン(ヒートポンプ式) | らくはや風アイロン(ヒートポンプ式) |
| 洗濯〜乾燥の時間(標準) | 約93分 | 約93分 |
| 洗濯〜乾燥の電気(標準) | 約1,150Wh | 約1,150Wh |
| 洗濯〜乾燥の時間(省エネ) | 約200分 | 約200分 |
| 洗濯〜乾燥の水量 | 約65L | 約65L |
| 洗濯だけの電気・水量 | 85Wh・94L | 85Wh・94L |
| 運転音(洗い/脱水/乾燥) | 34/37/49dB | 34/37/49dB |
| 大きさ(幅×奥行×高さ) | 630×720×1,065mm | 630×720×1,065mm |
| 乾燥フィルター | なし(らくメンテ) | なし(らくメンテ) |
| 洗剤・柔軟剤の自動投入 | あり | あり |
| スマホ連携・AIお洗濯 | あり | あり |
乾燥にかかる時間も、電気代も、水道代も、音も、置ける場所も、フィルター掃除の手間も、全部同じです。
日立を選ぶ一番の理由である「乾燥フィルターがない」「93分で乾く」は、型落ちでもそのまま手に入ります。
電気代を具体的に出しておくと、標準コースで洗濯〜乾燥1回あたり約36円(1kWh=31円で計算)、毎日使って年間約13,000円です。この数字は新型でも型落ちでもまったく変わりません。
公式仕様でわかった「違うところ」は7つ
| 項目 | BD-STX130P(新型) | BD-STX130M(型落ち) | 差の大きさ |
|---|---|---|---|
| 洗い方 | 衣類長もち高濃度洗浄 | ナイアガラ洗浄 | 大きい |
| 糸くずフィルターの形 | スリット形状・先端が開いている | メッシュ形状 | 中くらい |
| 脱水時の振動対策 | 3軸ジャイロセンサーで片寄りを検知 | 従来の制御 | 中くらい |
| 本体色 | ホワイト/ダークグレー | ホワイトのみ | 好みしだい |
| 洗濯だけの時間(標準) | 35分 | 36分 | ほぼなし |
| 洗濯〜乾燥の電気(省エネ) | 約670Wh | 約680Wh | ほぼなし(年約110円) |
| 重さ | 約92kg | 約93kg | ほぼなし |
下の3つは数字の上では違いますが、生活で気づける差ではありません。実質的な違いは上の4つです。順番に見ていきます。
違い1:洗い方が「衣類長もち高濃度洗浄」に変わった
新型の一番の売りがこれです。日立の発表によると、衣類が少ないときに、大流量のシャワーで汚れを洗い流す時間を増やし、たたき洗いの回数を減らすことで、洗浄力はそのままに色あせや毛玉などの布傷みを抑える、という仕組みです。
ドラム式は、洗濯物を持ち上げて落とす「たたき洗い」が基本です。汚れは落ちますが、その分だけ生地への負担も大きく、黒いTシャツが白っぽくなったり、ニットに毛玉ができたりします。
ドラム式の不満としてよく聞くのが、この「服が傷む」です。
ただし、注意点が二つあります。一つは、効くのは「衣類が少ないとき」だということです。13kgをフルに詰め込む家庭では、たたき洗いを減らす余地が小さくなります。
もう一つは、日立の公式発表に「布傷みを従来比で何%減らした」という数値がないことです。効果はある方向で設計されているものの、どれくらい違うかは公表されていません。
色の濃い服やニットが多く、洗濯物の量が少なめの家庭ほど、この機能の恩恵は大きくなります。
逆に、家族4人分をまとめて回す家庭では、機能の出番が少ないかもしれません。
違い2:糸くずフィルターがスリット形状になった
日立のらくメンテは、乾燥フィルターをなくして、糸くずを洗濯のたびに水で流す仕組みです。その糸くずを受け止めるのが排水側の「大容量糸くずフィルター」で、ここは定期的に掃除が必要です。
型落ちのMはこの部分がメッシュ(網)で、網目に絡んだ糸くずを取り除く手間がありました。
新型のPはスリット(細長い溝)に変わり、先端が開いた構造になったので、一方向になでるだけで糸くずが取れる、というのが日立の説明です。
掃除が必要なこと自体は変わりません。変わるのは1回あたりの「面倒くささ」です。
掃除が苦手で、ここが面倒でドラム式をやめたくなった経験がある方には、意外と大きい改善です。
違い3:脱水の振動を3軸ジャイロセンサーで抑える
新型は、3軸ジャイロセンサーで衣類の片寄りを推定し、振動が大きくなる回転数の帯を一気に通り抜けることで、脱水時の揺れを抑える制御が加わりました。
運転音の公式値は新旧とも脱水37dBで同じなので、「静かになった」わけではありません。効くのは音ではなく「揺れ」です。木造住宅の2階や、洗面所の床が少したわむ家、隣室に赤ちゃんが寝ている家では、この差が体感に出やすいと思います。
1階の鉄筋コンクリートに置くなら、この機能の出番はほとんどありません。設置場所で価値が変わる機能です。
違い4:ダークグレーが選べる
最上位機のSTXでダークグレーが選べるのは、新型のPが初めてです。型落ちのSTX130Mはホワイトのみです。
ただし、型落ちでもダークグレーは選べます。弟分のBD-SX130M(操作パネルがボタン式)にダークグレーがあり、今の売値は約23万円です。「色はダークグレーがいい、でも16万円は出せない」という方は、こちらを見てください。
16万円の差をどう考えるか
ここまでを踏まえると、16万円で買えるのは「布傷みを抑える洗い方」「掃除しやすいフィルター」「脱水の揺れ対策」「ダークグレー」の4つです。乾燥の速さ、電気代、音、大きさは1円分も変わりません。
16万円という金額を別のものに置き換えてみます。
- 年間の電気代(約13,000円)の約12年分
- パナソニックの最上位機NA-LX129E(約32万円)との差額を埋めて、まだ7万円残る
- ドラム式の寿命の目安である7〜10年を考えると、年あたり約1.6〜2.3万円の上乗せ
4つの機能に年2万円前後を払う価値があると感じるなら新型、そうでなければ型落ちです。
迷ったときは「その機能がなくて後悔する場面が、自分の家で週に何回あるか」を数えてみてください。週に1回も思い浮かばなければ、型落ちで十分です。
「新型が欲しい」なら BD-SX130P という選び方もある
新型の4つの機能は欲しいけれど39万円は重い、という方には、新型の弟分 BD-SX130P があります。今の売値は約364,000円で、STX130Pより約2.7万円安くなります。
STXとSXの主な違いは操作パネルです。STXはワイドカラー液晶のタッチパネル、SXはボタン式です。洗い方も、乾燥方式も、時間も、電気も、糸くずフィルターの改良も、脱水の振動対策も同じです(日立の発表で新型共通とされています)。細かい点では、洗剤直ぬり・花粉・静止乾燥などいくつかのコースが、SXでは本体のボタンではなくスマホからダウンロードして使う形になります。
「画面をタッチして操作したい」というこだわりがなければ、SX130Pのほうが賢い買い方です。
型落ちについても同じ構図で、BD-SX130Mは中身がSTX130Mと同一でパネルがボタン式です。
ただし今はSX130MとSTX130Mの売値がほぼ並んでいる(どちらも約23万円)ので、型落ちならタッチパネルのSTX130Mをそのまま選ぶのが得です。
こんな人は型落ちのBD-STX130Mで決まり
- 日立を選ぶ理由が「乾燥フィルターがない」「93分で乾く」の2点である
- 洗濯物は家族分をまとめて多めに回す
- 置き場所は1階か、床のしっかりした場所
- 本体色はホワイトで構わない
- 16万円を他のこと(設置費、洗剤、あるいは貯金)に回したい
この5つに当てはまるなら、新型を待つ理由も、新型を選ぶ理由もありません。前に書いたとおり、型落ちは値上がり局面に入っています。
買うと決めたなら、今週中に在庫のある店を押さえるのが正解です。
こんな人は新型のBD-STX130P(またはSX130P)
- 黒い服・ニット・おしゃれ着が多く、色あせや毛玉で服を捨てた経験がある
- 洗濯物は少なめで、1回に入れる量が5kg以下のことが多い
- 木造の2階や、揺れが気になる場所に置く
- 糸くずフィルターの掃除が本当に苦手
- ダークグレーの最上位機が欲しい
この中で2つ以上当てはまるなら、新型の価値は出ます。1つだけなら、その1つが16万円に見合うかを考えてください。
「新しいから」ではなく「この機能を毎週使うから」と言えるかどうかが、後悔しない線引きです。
買う前に確認しておきたい3つのこと
1. 左開きか右開きか
型番の末尾がL(左開き)とR(右開き)で価格が変わります。日立に限らず、右開きは流通量が少なく数万円高いことが多いです。設置場所の壁や扉の位置を確認して、開く向きを先に決めてから価格を比べてください。
2. 搬入経路と防水パン
新型も型落ちも外形は幅630mm・奥行720mm(本体幅は600mm)で、防水パンの内寸奥行は540mm以上が必要です。搬入には本体幅プラス10cm、つまり約73cmの通路幅が目安になります。ネットで買う場合の設置サービスやリサイクル料金については、別記事で詳しくまとめています。
ドラム式洗濯機はネットで買っても大丈夫?設置とリサイクルの費用|購入前チェック
3. 型落ちの保証と在庫
型落ちでも新品ならメーカー保証は同じです。ただ、在庫が少なくなると「展示品」「開梱品」が混ざり始めます。価格.comの最安値が急に安い店は、商品の状態欄を必ず確認してください。
よくある質問
Q. 型落ちのBD-STX130Mは、来年もっと安くなりますか?
安くなる前に在庫がなくなる可能性のほうが高いです。1か月で約1.3万円上がっているのが現状で、この傾向は在庫が尽きるまで続くのが普通です。安く買いたいなら、時期を待つより在庫のある店を探すほうが確実です。
Q. 新型BD-STX130Pは、いつ頃安くなりますか?
日立のビッグドラムは、2025年は9月、2026年は8月下旬と、夏の終わりから秋に新型が出ています。この周期が続くなら、STX130Pが型落ちになるのは2027年の秋です。
過去の例では、型落ちになった直後が一番安く、その後は今回のように在庫減で上がります。1年待てるなら、来年の秋にSTX130Pを型落ち価格で狙う手もあります。
Q. 電気代は新型のほうが安いですか?
標準コースは同じ約1,150Whで差はありません。省エネコースは新型670Wh、型落ち680Whで10Whの差がありますが、毎日使っても年間約110円です。電気代を理由に新型を選ぶ必要はありません。
Q. 「衣類長もち高濃度洗浄」は型落ちにソフト更新で追加されませんか?
日立からそのような案内はありません。洗い方の制御は本体側の設計に関わる部分なので、型落ちに後から追加されることは期待しないほうがよいです。
Q. 他メーカーの最上位機と比べると、日立の型落ちはどうですか?
パナソニックのNA-LX129E(約32万円)、シャープのES-12X1(約19万円)、東芝のTW-127XP5(約20万円)が同じクラスです。日立の型落ちSTX130Mは約23万円で、乾燥フィルターがないのは4社の中で日立だけです。乾燥の速さは東芝の約87分が最速で、日立の約93分はそれに次ぐ2番手です。メーカーをまたいで比べたい方は、下の関連記事をご覧ください。
まとめ:型落ちは「劣化版」ではなく「同じ機械の安い方」
BD-STX130PとBD-STX130Mは、洗濯乾燥機としての土台が完全に同じです。違いは洗い方の制御、糸くずフィルターの形、脱水の振動対策、本体色の4つで、その差額が約16万円です。
- 日立を選ぶ理由が「乾燥フィルターなし」「93分」なら、型落ちのBD-STX130M(約23万円)で十分です
- 色あせ・毛玉・揺れ・ダークグレーのどれかに強いこだわりがあるなら、新型のBD-STX130P(約39万円)またはBD-SX130P(約36万円)です
- 型落ちは値上がり局面です。決めたら早めに在庫を確保してください
新型を買って後悔する人はほとんどいませんが、「型落ちで十分だった」と気づく人はたくさんいます。
16万円の使い道を、洗濯機の中だけで考えないでください。

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